誰も知らない
そう言えば週刊朝日の連載「あるきかたがただしくない」で、枡野さんもこの映画を見たってことが書いてあったことを思い出しました。
この映画に結末はなくて、過程があるだけ。
過酷な状況に陥っていく子供達の過程を描きながらも、感情の起伏を与えない。
存在のない3人の子供達を養わなければならない主人公の明に。そして明を通して見る我々にも。
もちろん明の心情の過程は見て取れるのだけれど、直接的な感情表現はない。
もっと泣けばいいのに。もっと叫べばいいのに。もっと怒ればいいのに。
明が泣かないのに、叫ばないのに、怒らないのに、我々がそうするわけにはいかない。
そして過程のまま映画は終わる。ある事件があって、それがひとつの区切りのように
見えるけれども、それも通過点でしかなかった。
彼らはこのまま、誰も知らないまま暮らしつづけるだろう。
あるいは誰も知らないまま力尽きてしまうだろう。
またあるいは明日にでも誰かに知られることになるだろう。
結末は誰も知らない。
ママだとかドラえもんとかいなくても僕らは僕ら生きていきます


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